医療事務は、未経験でも働くことができますが、いわゆる一般的な事務とは異なり医療機関での受付業務や診療費の計算だけでなく、カルテの管理や医事統計、診療報酬請求業務など幅広い仕事があります。業務の中で専門的な医療用語を多く使用する機会があるので、医療分野の基礎的な知識を身に着ける必要があります。そのため、必ず資格が必要ということではありませんが、専門的な資格をもっていた方がより良い待遇で採用されたり、働くことができることでしょう。また、女性人気がとても高い職業なうえに、比較的募集している人数も少ないので一度募集がかかると応募が殺到するので、関連する資格を持っていた方が採用されやすいというメリットもあります。医療事務には一部公的な資格がありますが、国家資格はありません。関連する資格の種類は多いですが、医療事務の最難関といわれる診療報酬請求事務能力認定試験やレセプト点検能力を問う医療事務技能審査試験などの資格を持っていると業務に役立てることができます。
医療事務で働くときに役立つスキルはとにかく正確な仕事ができること、臨機応変な対応力があることです。医療事務のメインの仕事の一つにレセプト作成があります。レセプトは、毎月10日までに必ず作成し、審査支払機関に提出しなければなりません。レセプトの内容が不適切だと収入が少なくなったり、再提出となるため期日までに正確に事務処理をするスキルが求められます。最近では医療分野でもIT化が進んできていて、レセプトもコンピュータで作成することが一般です。そのため、ワードやエクセルが使用できる程度のパソコンを使用するスキルも必要といえます。スキルとは少し違うかもしれませんが、状況に応じて臨機応変に対応できる能力も必要です。医療事務は、書類作業だけではなく受付業務も行っています。病院やクリニックに訪れる人は子どもからお年寄り、体が不自由な方まで様々です。しかも、具合が悪い人が訪れるので中には緊急で処置をすることが必要な人もいます。医師や看護師ほどではなくても会話の内容や患者さんの様子を見て緊急性があるかを判断することや、それぞれの状況に応じて適切な対応能力がとれるかなどが求められます。